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大崎町·この一杯が生まれた理由

鹿児島の田舎から生まれた、コーヒーの代わり。

福岡のチームの1番のユニフォームで、ネット際でトスを上げる南海 大崎町の畑で農家の方々と、掘りたてのさつまいもを手に笑う南海
福岡のチームの1番のユニフォームで、ネット際でトスを上げる南海

バレーボールを、二度失った

カナダの大学でのキャリアは、始まる前にコロナで終わりました。20歳で、すでにブランクは2年。そんなとき、日本代表の元コーチが母に連絡をくれました——福岡でトライアウトがある、と。海を渡り、チームに受かり、人生ごと日本へ移しました。

でも2年のブランクは埋まりません。「代えのきかない選手」になれなければ、居場所はなくなる。バレーボールは、二度目のさよならを告げました。それからしばらく、朝起きる理由が見つかりませんでした。

誰も訪れない町へ

大崎町の地域活性化の仕事が、鹿児島県大崎町に連れてきてくれました。人口1万1千人、いまも減り続けています。最初の数週間で覚えているのは、静けさです。足音もなく、同世代もいなくて、蝉と風の音だけが大きく響いていました。

それでも町の人は、何の計画もないよそ者にあたたかかった。そして、使われていない土地がどこまでも広がっていた。「誰かが、何かを作るべきだ」と、ずっと考えていました。

大崎町の畑で農家の方々と、掘りたてのさつまいもを手に笑う南海

町が、迎え入れてくれた

大崎町は、誰も欲しがらなかった築100年の家をくれました。ボロボロで、半分壊れていて——その気持ちは、よくわかりました。

町の子どもたちに英語を教えているカフェの台所で、自分の朝に足りなかった一杯をブレンドし始めました。隣町の製茶一家の抹茶。道の先の工場のさつまいも。そして、いまも体を鍛え続けているからこそ選んだ、ヤマブシタケとコルジセプス。ここの農家は質素に食べて、長く生きています。素材は4つで、十分でした。

朝は、いまも苦手です

きれいに解決した話にはしません。朝はいまも弱い——起き上がらせてくれるのは、この会社を育てることと、朝6時の茶畑仕事です。この一杯は、2年前の自分のために作りました。

パウチはすべてこの町で手詰めし、注文が増えるほど、この町の仕事が増えていきます。隣人の半分以上が60歳を超えた町に、若い仕事を。バレーボールがプロへの一度目の挑戦なら、これは二度目のトライアウト。今度は、ひとりではありません。

創業者 渡邉南海

大崎町 · 鹿児島 · 31.4°N

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